〔福岡県/S,Hさん/20代女性〕
私の彼は、20歳年上のバツイチ男性です。知り合ったきっかけは、私が大学生の時に、彼が講師の授業を受けたことに始まりました。穏やかに優しい声で授業を進める、知的な彼の姿に、あんな年上の先生に好意なんてもっても無駄だ、と思いながらもどんどん惹かれていって、いつの間にか本気で好きになっていました。授業の後に、毎回わざわざ講師控室まで質問に行ったりしているうちに、彼に名前を覚えて貰えるようにはなったけど、それ以上にはなかなかならない。でも、それでも幸せ、って思っていました。
けどある時、友達と飲みに行って恋バナになった時、先生の事がなんとなく気になっている、って話をしたら、「40代の地味なおっさんのどこがいいんだ」「あの先生、奥さんとモメて別れてバツイチらしい。実は性格が悪いのかも。」「給料だって大して良くないだろうし、20歳も上なら結婚にこぎつけてもいずれ介護」等々、散々な内容のコメントばかりが飛び出し、私はすっかり打ちひしがれてしまいました。でもそれらを言われても先生の事は好きだし、私には、どうしても悪い性格の人には思えませんでした。けど、確かに20歳も上の人の事を好きでいたって、実らないままじゃどうにもならない。ずるずる辛い思いをするなら、すっぱり諦めるように努めたほうがいいのかな。そんな事を考えながら歩いていると、道の端の「占い」の文字が目に飛び込んできて、私は吸い込まれるように、その建物の中に入っていきました。
遅い時間だったけど、占い師の先生はにこやかに私を迎えてくれて、話を聞いてくれました。最初はもうやぶれかぶれで、この恋はダメっていう結果でも出てくれれば、諦めるきっかけになる、位に考えていたんです。でも、結果は想像とは違いました。
「貴女と先生は、前世でもご縁があって、今世で会う事を決めてきた関係だから、こうして出会えたのよ。だから、貴女が先生の事を好きなのは間違ってないし、先生も、貴女の事を好きでいるわ。でも、年齢差もあるし、教師と生徒っていう関係性の手前、その思いは秘めているんでしょうね。周りは、表面的な2人の事だけ見て判断するから、貴女にとっては不本意な事ばかりかもしれないけれど、貴女と先生が思いあってさえいれば、それ以上に大切な事なんてないから、自信をもって進めばいいのよ。私は、応援しているからね。信じていれば、きっと上手くいくからね」
そう言われたらもう涙が止まらなくて、ぐちゃぐちゃの顔でうなずくばかりでしたが、心の中で、私はやっぱり間違ってないんだ!と決意を固くしました。それからも、友達の前では諦めたふりをしつつも、真剣に彼の所に通い続け、卒業前の最後の授業の後に、緊張しながら思いを告げました。すると、彼はとても動揺していましたけど、彼も私の事がずっと好きだった、と返してくれました。そして、彼はとても真面目な人だから、それから自分の離婚の話や、20歳も上だから生じるであろう弊害の事とか、真剣に色々話してくれて、それでも良ければ、自分と交際してほしい、と言ってくれました。私は、そんな誠実な彼の姿勢にますます思いが強まったので、もちろん承諾し、今に至ります。
結婚に関しては、彼は一度失敗しているし、年齢差の事もあって、あまり積極的には考えられないみたいだけれど、それでも、いつでも私の事を何より大切にしてくれる彼と一緒にいるだけで本当に幸せだし、そう思える限り、これからも彼と一緒に生きていきたいと思っています。この幸せをかみしめるたびに、あの時私を応援してくれて、背中を押してくれた占い師の先生に、改めて心から感謝をしています。